僕は兄が大好きだった、憧れだったことに気付いてしまった
昨日しばらく忘れていたことを思い出した。キッカケはこの曲を聴いているうちに、何故だか分からないが涙が溢れて止まらなかったのだ。
織田哲郎さんが亡くなられたお兄さんの為に作った曲だということを最近になって知ったのだ。
私には4つ上の兄がいる。小学生の頃、よく一緒に遊んだ。
兄は勉強・スポーツがよくできた。友達や、先生から兄とよく比較をされてきたが、人が兄の事を褒めているのを聞いていると、まるで自分が褒められている事のように誇らしかった。嬉しかった。
兄が中学、高校生の頃も兄の友達が家に遊びにくると自分も一緒になって遊んでいた。それが自分にはとても楽しかった。
そして兄が東京の大学に行ってから疎遠になってきた。何年か前に兄は再婚したのだが、当時親は反対していた。ある時、再婚の際に婚姻届の保証人のところにサインをして欲しいと頼まれたのだ。本来ならば、親に書いてもらうべきものだが親は反対していたので、許しを得ずに婚姻届を出そうとしていた。
私は非常に悩んだ。親に言うべきかどうか…
でも自分がサインを断ったとしても、友人に頼んででも婚姻届を出すに違いない。現にそういう性格だ。そう思った私は、近いうちに必ず親に結婚したことを伝えるようにとの条件でサインをした。それから約半年後…兄から子供が産まれたと連絡がきた。
ショックだった…
サインをお願いしてきた時にはすでに身籠っていたのだろう。その事も一緒に伝えてこなかったことに対してのショックだ。
織田哲郎さんの曲を聴いていて涙が止まらなかった理由が分かったのだ。
僕は兄が大好きだったことに気付いてしまったのだ。憧れだったことに気付いてしまったのだ。
そんな憧れだった兄の理想像が壊れていくことが怖い、恐怖していた自分に気付いてしまったのだ。
と同時に心に引っかかっていた何かがとれた感じがした。解放感に似た何かだ…
理想だった兄はもう今はいない。
それを確信してしまったと同時に、
もう苦しまなくていいんだよ
という自問自答の声が聞こえた。
僕には家庭の存在が有り難い。
愛する妻、愛する子供。
守るべきは自分の家庭。
今日も1日を大切に生きよう!